このブログは、宅建、行政書士、公務員試験など各種試験に役立つ「民法」の情報を、わかりやすく解説したブログです。
 それでは、最初の記事から、始めていきましょう。
 今回の記事は、試験に直接出ることは少ないのですが、民法の重要な考え方ですので、理解しておきましょう。

 なお、これから見ていく民法は、法律の分類では「私法」にあたります。
「私法」とは、個人と個人の私的な生活関係を規律する法律です。
もう一つの法律として「公法」があります。公法は、国(地方公共団体)と個人の関係を規律する法律です(憲法や刑法など)。
 そこで、私法である民法の学習にあたっては、個人と個人の利害の対立をどう調整していくかが、中心的な課題になります。

目次
1.民法の基本原則
    ①所有権絶対の原則

  ②契約自由の原則

  ③過失責任の原則

2.民法第1条による修正

  ①公共の福祉の原則

  ②信義誠実の原則

  ③権利濫用の禁止  

宅建合格への勉強法3種

1.民法の基本原則

民法には基本となる原則があります。それは次の三つです。

しかし、この原則も、社会の秩序維持・調和をはかる必要があるときは、制限を受けます。

[3つの原則]

① 所有権絶対の原則

人も国家も、他人の所有権を侵害することができません。

しかし、所有権も無制限ではなく、公共の福祉に従う必要があります。たとえば、自分の土地建物であっても、災害防止その他の観点から、行政によっていろいろ規制されています。

 ② 契約自由の原則

人と人との契約は、その契約を誰と結ぶか、又、その内容も当事者が自由に決めることができます。

しかし、たとえば、公序良俗に反する契約(殺人を引き受ける契約、売春する契約など)は無効とされます。又、相手の弱みにつけこんだ一方的な契約も無効又は取消しできるとされます。消費者保護法など、各種の法律で規制されています。

 ③ 過失責任の原則 

過失がなければ他人に損害を与えても、損害賠償責任を負うことはないという原則です。

しかし、たとえば、企業が公害等で健康被害を引き起こした場合、過失の証明が難しい場合もあるので、無過失責任(過失がなくても責任を負う)が問われることがあります。

 
2.民法第1条による修正

民法は、第1条で、次のように上記の「所有権絶対の原則」と「契約自由の原則」を修正しています。

 ① 公共の福祉の原則 私権は公共の福祉に適合しなければならない。

ここの「私権」とは、物権や債権などの権利であり、「公共の福祉」とは、社会全体の利益をいいます。私権の内容やその行使は、社会の共同の利益と調和するように行われるべきであるという意味です。これに反する場合は、私権としての効力が認められないのです。
 但し、この原則が直接、解釈の際に持ち出されることはほとんどありません。

 ② 信義誠実の原則 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。

信義とは、相手方の信頼を裏切らないことであり、取引の当事者は互いに相手方に対して誠実に行動しなければならないということです。

これに反する行為は、その主張が認められないだけでなく、損害賠償の対象となることもあります。この原則は、契約の解釈でもよく出てきます。

 ③ 権利濫用の禁止 権利の濫用はこれを許さない。

外観は権利の行使とみえる行為でも、他人との関係で許されない場合があります。

権利者がその権利を行使することによって得られる利益とそれによって他人が被る不利益を比べて、他人の利益が大きい場合には、権利の濫用、つまり、正当な範囲を逸脱した行為とされ、その権利の行使は認められません。そして、権利の濫用は不法行為となり、相手に損害が生じた場合は、その損害を賠償しなければなりません。
これも、法律問題の解釈によく使われる理論です。

 

(まとめ)民法の基本原則は、歴史的に、近代資本主義社会の発展に大きく寄与してきました。しかし、同時に様々な弊害も生んできたのです。そこで、現在では、その原則に大幅な修正が加えられています。

 (参考)宅建合格への勉強法3種



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